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フランス音楽院の種類と定義を徹底解説!|国立・地方・県立・私立

フランス国内にある音楽院は、なんと約500校

運営や管轄によって、国立高等音楽院公立音楽院 (地方・県立・区立ほか)、私立音楽院と種類が分かれています。

この投稿では、そんな音楽院の種類をまとめてご紹介します!

目次

フランスの国立高等音楽院

まず、フランス国内にある国立高等音楽院は、パリとリヨンの2校のみ

フランス語ではConservatoire National Supérieur de Musiqueで、よくCNSM (セー・エヌ・エス・エム)と略されます。

CNSMには音楽科と舞踏科があり、それぞれの学科に第1課程(学士、国家音楽家資格DNSPM)、 第2課程(修士)、第3課程(アーティストディプロマ、博士)、教育課程があります。

第1課程は3年 (1年飛び級も可能)、第2課程は2年と、卒業に必要な年数はフランスの大学システムと同じ。

基本的に第1課程を卒業し 国家音楽家資格(DNSPM)を取得したら、そのまま第2課程に 進むことができますが、他の国の修士課程に進学することも可能です。

また、入学するには語学の資格も必須で、必要なレベル(第1課程はB1、第2課程はB2)が取れなければ 入学は認められません。

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また、全ての音楽院に共通することなのですが、CNSMでも入学時の年齢制限が細かく定められています。

専攻楽器や課程によってその年齢はバラバラ、またパリとリヨンでもその基準は異なります。

少しでも興味のある方は、なるべく早めに年齢制限を確認することをおすすめします!

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フランスの地方音楽院

フランスに約40校ある地方音楽院 (Conservatoires à Rayonnement Régional=CRR)。

地方音楽院には、音楽科・舞踏科・演劇科3つの学科があり、尚且つ「音楽高等教育機関への進学対策が十分にできる」ことが保証されていなければなりません。

「音楽高等教育機関への進学対策が十分にできる」というのは、音楽院の「課程」が 第2課程以降も充実しているということ。

地方音楽院であればしっかりとカリキュラムが組まれているので、ビザ申請も問題なく通ります!

課程についての情報は、以下の記事を参考にしてください。

そして、2020年からは地方音楽院の新しいシステムも誕生。

これまで、高等音楽教育機関として国家音楽家資格 (DNSPM)と音楽学士号を交付できるのは、パリとリヨンの国立高等音楽院2校のみでしたが、2020年より新たに国内の地方音楽院10校が国から指定され、高等教育機関としての役割を持つようになりました。

なので、これらの高等教育機関でも国家音楽家資格 (DNSPM)と学士号(Licence)が取得可能に。

どこの地方音楽院が追加されているのか知りたい方は、私たちの公式LINEにて音楽院名と公式ホームページリンクを載せたリストをお配りしていますので、ぜひご覧になってください!

これらの学校以外にも、最近では近隣の大学と提携して音楽学の学士や修士の取得ができる課程が増えてきています。

興味のある方は、ぜひ私たちに直接ご相談くださいね。

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フランスの県立・地方圏立音楽院

フランスに約500校もある音楽院のうち、ほとんどが県立・地域圏立音楽院。

県立音楽院では 音楽科・舞踏科・演劇科 のうち2つの学科、地域圏立音楽院では1つでも学科があることが条件とされています。

カリキュラムが充実している地方音楽院に対して、県立・地域圏立音楽院では全ての学校で第3課程以上 (留学生が受験するレベル)の専門教育が保証されているわけではありません。

ここで出てくる問題が「ビザ申請が可能かどうか」です。

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フランスの学生ビザの申請には、その学校が最低限の授業時間数を満たしていることの証明が必要です。

県立・地域圏立音楽院の中には規定に満たない学校も多いため、ビザ申請が出来ない場合も。

なので、師事したい先生が県立または地域圏立で教えていらっしゃる場合は、その学校にビザ申請できるクラスがあるのか事前に確認しておきましょう!

パリ区立音楽院

次にご紹介するのは、パリ市内に17校ある区立音楽院。

基本的に1区につき1校ありますが、パリ1〜4区はまとめて大きな1校(中央区)となっていて、地方音楽院と同じように音楽・舞踏・演劇 3つの学科があります。

子どもの生徒がほとんどですが、日本の音楽大学レベルに相当する専門課程 (Cycle Spécialisé) もあり、素晴らしい教授のもと、充実した留学生活を送ることができます。

区立音楽院の入学試験について

少し複雑な話になりますが、パリ区立音楽院の専門課程は、パリ地方音楽院の管轄。

パリ区立音楽院とパリ地方音楽院の入学試験は、受験者全員まとめて行われることになっているのです。

入学までの順序は以下のとおり。

STEP
パリ区立音楽院・パリ地方音楽院を受験する生徒は、入試登録の際に希望の音楽院を第2〜3希望まで記入
STEP
入試で合格すると、まず第一希望の音楽院の希望の先生のクラスに席があるかどうかを確認
STEP
席があって先生が入学を許可すると、第一希望の音楽院に入学
STEP
席が空いていなければ、第二希望の音楽院の方へ連絡がいき、そこに席が空いていれば入学
STEP
第二希望の音楽院にも席が無ければ、すべての区立音楽院へ連絡がいき、席が空いているクラスを提案される

区立音楽院の卒業試験について

このように、入学試験は全員まとめてパリ地方音楽院で行われていますが、卒業試験はパリ地方音楽院とパリ区立音楽院に通っている生徒で別々に行われています。

パリ地方音楽院に通っている生徒は、パリ地方音楽院で卒業試験が開催され、パリ区立音楽院に通っている生徒は、区立音楽院で卒業試験が開催される、という仕組みです。

区立音楽院はたくさんありますが、全ての区立がそれぞれ別々に開催というわけではなく、いくつかの区立が集まってどこかの区立音楽院で卒業試験が行われます。

例えば、今年度(2024年)のサクソフォンの卒業試験は、中央区、6区、10区、14区合同で行われる予定だそう。

ただ、毎年のようにシステムが変わっていくので、随時こちらの情報も更新していきます!

パリ区立音楽院の年齢制限に注意!

パリ区立音楽院年齢制限は、他の音楽院よりもやや低く、大体の楽器で22〜25歳なっています。

ここで、注意しなければならないのが、既に専門課程を卒業していたり日本の音楽大学を卒業している人は、区立音楽院の受験資格がないこと!

パリ市内は人口が多く、音楽院の競争率も高いので、できるだけ新しい生徒に教育の機会を与えるためです。

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ただし、専門楽器以外の学科の受験や、一般大学出身の場合は受験可能。

以下に、専門楽器以外の学科の受験の例をいくつか挙げておきます!

ピアノ専攻出身→伴奏科受験
クラリネット専攻出身→バスクラリネット科受験
フルート専攻→ピッコロ科受験
トロンボーン専攻出身→バストロンボーン科受験
オーボエ専攻出身→イングリッシュホルン受験
ホルン専攻出身→ナチュラルホルン科受験
打楽器専攻出身→マリンバ科受験
ピアノ科専攻→ピアノフォルテ科受験

このように区立音楽院には、日本の音楽大学にはない専門的な器楽学科があるので、フランス留学をきっかけに、より専門的に勉強する事も出来ますね。

もし、同じ専攻で大学卒業資格を持っていて、パリ市内の音楽院を希望する場合はリ地方音楽院のCycle Concertiste (コンサーティスト課程) のみ受験することができます。

興味のある方は、こちらのホームページ(パリ市の公式音楽院サイト)をチェックしてみてください!https://conservatoires.paris.fr

フランスの私立音楽院

最後に、数少ないながらも歴史のあるパリの私立音楽院を2校ご紹介します。

パリ・エコールノルマル音楽院 (Ecole Normale de Musique de Paris Alfred CORTOT)
スコラ・カントルム音楽院 (La Schola Cantorum)

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これまでご紹介してきた国公立音楽院との大きな違いは、主に学費とカリキュラムです。

国公立音楽院の学費が1年で約1000ユーロ(約16万円)以下なのに対し、私立音楽院では3000-7000ユーロ(約50-110万円) 以上かかってきます。

課程が国で統一されていて、取得しなければいけない単位も決まっている国公立音楽院に対し、私立音楽院では、独自の課程とカリキュラムが組まれています。

また、私立音楽院では基本的に1年中受験・入学が可能なのも、大きな特徴です。

事務手続きも比較的簡単なので

①フランスに行きたい時期に受験
②オンラインで入学が決定
③日本からビザ申請

ということも可能です!

そして、私立音楽院には定年退職がなく、他の音楽院退職後の有名な先生が私立音楽院で教えていらっしゃることも多いです。

師事したい先生が私立音楽院でしか教えていない場合もあるので、進学先に迷われている方は一度お気軽にご相談ください!

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