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ピアノ科・伴奏科・室内楽科で同時に研鑽を積み、マルチに活動するピアニスト・高崎優芽インタビュー #08

皆さんこんにちは、Music Discoveryアドバイザーの袴田美帆です。

今回インタビューに協力してくださったのは、パリ国立高等音楽院ピアノ科を修了し、同音楽院の伴奏科修士課程に在籍しながら、伴奏ピアニストとしてもフランスで活動されている高崎優芽さん。

実は、優芽さんとは2018年から一緒に演奏していて、Duo Lupinusとしてパリ国立高等音楽院室内楽科学士課程・修士課程を共に過ごした仲なんです!

そんな優芽さんは、留学するためにどんな準備をしてきたのでしょうか?

伴奏科の授業内容や、伴奏者としてどんなお仕事をされているのかについてもお伺いしました!

高崎 優芽 Yume Takasaki 
横浜市出身。ヤマハ音楽教室にてピアノを始める。神奈川県立弥栄高等学校芸術科、東京音楽大学を卒業。在学中、パリ国立高等音楽院ピアノ科学士課程に合格し渡仏。アンサンブルピアニストとしての研鑽を積む為、翌年より同音楽院伴奏科、及び室内楽科の3つの科に並行して在籍。2023年に修士課程ピアノ科、並びに室内楽科を修了し、現在はピアノ伴奏科(器楽) に在学中。
弦、管打楽器、バロックから現代音楽までの幅広いレパートリーを持ち、フランスを中心にヨーロッパ各地の文化施設や、音楽祭等で室内楽のコンサートを行う他、国際コンクールやマスタークラスの伴奏、パリ音楽院での各種試験の伴奏助手も、定期的に依頼されている。

目次

フランス留学のきっかけは?

自由に過ごした高校時代

高崎:高校生のときから習っていたピアノの先生が、日本の大学に行かずにロンドンに留学をされた先生で、留学に興味を持ち始めました。

その後、先生のすすめで、パリ音楽院出身の菊地裕介先生に習いたくて東京音大に入りました。同時に、菊地先生の勧めでもう1人、パリ・ローマ・ザルツブルクにいらっしゃった吉田友昭先生にも習い始めました。

このように、外国育ちの先生に囲まれた状態だったので、自然と日本で音楽を続けていくっていうイメージが自分の中に湧きづらかったんだと思います。

また、先生たちのレッスンの内容を、自分の中で消化することができないことにも悩み、卒業後は就職するか、音楽を外国で続けるかで迷った結果、大学2年生の終わり頃、3年生のときにパリ音楽院を受けてみよう!と、受験を決めました。

留学準備で困ったことや、やっておいてよかったこと

パリ音楽院の前で

袴田:優芽さんが、入試の準備や合格後の準備で困ったことや、やってよかったことはありますか?

高崎:語学が全然できなかったから、受かった後の語学試験に苦労しました。

やって良かったことは、様々な作曲家の曲を沢山こなしたことです。

日本の音大の子って、「試験のために」「コンクールのために」曲を絞って弾く子が多いのですが、私の先生は、それは将来のために意味がない!という考えの方で、とにかく量をこなし、知識を身につけました。

まだ若くて全然演奏のコントロールできない状態だったと思いますが、それがパリ国立高等音楽院(CNSM)の入試対策には良かったと感じています。

特に学士課程では、たとえコントロールしきれていなくても、音楽的に表現したいことが見える子を取ってくれる学校なんです。

フランス語のレッスン記事へのリンク

袴田:今振り返ってみて、準備をしているときにあったらよかったなと思うサービスはありますか?

高崎:奨学金について全然調べられなかったので、そういう情報を知れたサービスがあったらよかったなと思います。

どうせ無理だろうと諦めていたけど、今考えてみたら、もうちょっと日本にいたときから調べて、申請を出してみたらよかったなと思っています。

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でもその分、フランスに来てから、こっちでなんとかして仕事を見つけようとしたおかげで、現地の様子が早く知れたので、それはそれで良かったとも思います!

伴奏科で学ぼうと思った理由

学士課程の伴奏科でお世話になった、ジェラルディーヌ・デュトロンシー先生

袴田:優芽さんが、ピアノ科の他にも伴奏科で学ぼうと思った理由と、今後もさらに学びたいことがあれば教えてください。

高崎:人と一緒に弾くことが好きで、日本にいたときから元々伴奏科には興味がありました。コンサートや講習会に行ったときに、伴奏していた先生たちへの憧れもあって、伴奏科出身の先生にも話を聞きに行ったりしていました。

伴奏科に入ってからは授業についてくのが必死でとても大変でしたが、ピアノ曲以外にオケの曲とか、室内楽の曲を沢山演奏することで、音楽的な理解がかなり深まりました。

修士課程に進むかどうかも迷ったくらい大変でしたが、ここで勉強するうちに、日常にありふれた音楽が、自分の中にすんなりと入り込んでくる感覚があったんです。

それが、ピアノ曲の演奏にも生きてくるし、同じ作曲家でも、ピアノ曲以外の作品を学ぶことで、作曲家への理解も深まり、音色の幅も広がったので、やめずに勉強してよかったと思っています。

これからの学びについて

学士課程のピアノ科でお世話になった、ロジェ・ムラロ先生


袴田:
今後まだ学びたいと思っていることはありますか?

高崎:これから学びたいのは歌曲伴奏です。

器楽伴奏科だと、オケや室内楽などの譜面全体を読むと同時に、音楽的に弾くことが求められますが、歌曲伴奏科はもっと音色とか描写的な表現に重きを置きます。

歌曲は譜面が簡単になる分、言葉と音楽の繋がりや、音楽が具体的にその部分で何を表現しているのかを読み取って、全部音にしていきます。

このような、深く細かい練習が、弦の伴奏などにも生きてくると思うので、これから学びたいなと思っています。

今の仕事について

仕事帰りのPont Neufで


袴田:
優芽さんは今、学生をする傍ら、様々な演奏のお仕事もされていますが、その内容について教えていただけますか。

高崎:ほとんどが楽器の伴奏で、合唱の伴奏もやったり、長期休暇には講習会の伴奏にも行ったりしています。

楽器の伴奏は、子供たちの伴奏をすることもあれば、CNSMや高等音楽教育機関を受ける子たちの入試準備のためにピアノ合わせもしたり、CNSMの子たちのコンクールやコンサート、先生方とのコンサートに行かせてもらうこともあります。

CNSMに入る前の子たちを伴奏するときは、間違っているところとか、音程とか、音楽的な部分などの指導もしていきます。

CNSMの子たちと弾くときは、一緒に音楽を作っていきます。そして先生レベルの人と弾くときは、こちらが学ばせてもらいながら、先生方の音楽についていく、という感じです。

合唱伴奏の場合は、練習の伴奏担当です。指揮の先生がいて、先生についてみんなで協力して楽しく練習しています。曲はレクイエムとかモーツァルトとか、響きの良い教会で練習しています。

袴田:どこかの音楽院でも伴奏はされていますか?

高崎:毎週数時間の契約で1つだけ、地方音楽院の伴奏員をしています。でも、そこでは子どもたちが中心で、指導が基本になるので、あまり時間数は増やさないつもりです。

私はそこまで器用じゃないし、語学も堪能じゃないので、学業と伴奏員を両立すると、自分の試験の時期など、生徒1人1人に時間をかける余裕がなくなってしまうんです。なので、今は定期的な仕事よりも、学業を優先させるつもりです。

これから留学したい人へメッセージ!

Duo Lupinusと作曲家Edith Canat de chizy氏

袴田:最後に、これから留学を考えている方たちに向けてメッセージをお願いします。

高崎:やりたいと思っていることがあるんだったら、あまり迷わずとりあえずやってみて、あとは自分の力でどうにかする。そしたら自然と色んな道が開けていくと思います!

袴田:「あとは自分の力でどうにかする」というのは、実際に優芽さんの活動を近くで見てきた私としても、とっても説得力があります。

そして、いつか私たちのデュオも、皆さんに聴いていただけますように!

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