皆さんこんにちは。フランス音楽留学アドバイザーの袴田美帆です。
フランス音楽留学生活で一番大きな出費となる家賃。
Music Discoveryのカウンセリングを受けられる方にも、家賃がいくらかかるのか不安に思っていらっしゃる方が多いです。
フランスではワンルームだけではなく、アパートや一軒家の間借りやコロカシオン(共同生活)、学生寮など、さまざまな形態での部屋探しがあります。
私も8年間の留学生活のうち、大学の学生寮1年、ワンルームの屋根裏部屋に1年、音楽院の学生寮に2年、そして間借りの大きなアパート(コロカシオン)に4年と、3回引っ越しをして色々な家に住んできました。
この投稿では、私が留学時代に実際に住んだパリ市内の物件と家賃を大公開!
皆さんが、少しでもフランス音楽留学を現実的に考えるきっかけになれば嬉しいです。
※本記事でご紹介する金額は、円/ユーロのレートによって大きく変わってきます。
あらかじめご了承ください。(記事執筆時のレート:1€=168円)
1年目:大学の学生寮
広さ:約25平米
家賃:450€(≒7万6000円)ー 住宅補助 150€(≒2万5000円)= 5万1000円
※音楽不可
※電気・インターネット代込み、洗濯機なし
住宅補助というのは、国から学生に支給される補助金のことです。
住む場所によっては、この住宅補助の対象外となる場合もありますが、大抵のアパートは住宅補助を受けることができますので、契約前に確認しましょう。
1年目は、交換留学が決まったときに学校経由で申請した、大学提携の学生寮に住むことができました!1年間家賃の負担が少なかったので、本当にありがたかったです。
パリ市内でこの価格で住めるのは、学生寮かルームシェアしかないでしょう。
さらに、多くの学生寮は1年更新で寮に入る倍率も高いので、ずっと学生寮に住み続けることもできないのが現状です。
私も、交換留学が終わったタイミングで部屋を出なければいけなかったので、すぐに一人暮らし用のアパートを探し始めました。
2年目:屋根裏部屋のワンルーム
広さ:約17平米
家賃:700€(≒12万円)ー 住宅補助 150€(≒2万5000円)= 9万3000円
※音楽不可
※電気、インターネット代別(+約1万円)、洗濯機なし
こちらは、私が唯一インターネットの掲示板で見つけた物件で、パリ14区の閑静な住宅街にある、素敵な屋根裏部屋です。このときに、初めて自分で電気代の契約とインターネットの開通作業もしました!
当時探した時の条件は、水回りが清潔で、トイレ・シャワー・キッチンが部屋の中にあることと、エレベーターがついていることでした。
フランスにはトイレが部屋の外で共同だったり、キッチンが極端に小さかったり、7階や8階でもエレベーターがなかったりする物件がたくさんあります。
日本では当たり前な条件でも、フランスでは当たり前でないことも多いので、物件の条件は一つひとつ注意して確認しましょう!
また、当時の電気代は月に3000円ほどでしたが、今では倍近くになっているとのこと。
なので、ある程度設備の整った一人暮らし用の部屋を見つけたければ、家賃と電気代で最低でも月に10万円は用意しておきましょう。
3〜4年目:パリ国立高等音楽院の寮
広さ:約30平米
家賃:650€(≒11万円)ー 住宅補助 150€(≒2万5000円)= 8万5000円
※音楽可
※電気代込み、インターネット代別、(+約3000円)、洗濯機なし(共同コインランドリー)
2年間お世話になった、学校の食堂の上にある寮。私がいた当時は自分でインターネットを契約しなければいけませんでしたが、今は全部屋Wi-fiが使えるとのこと。何より学校の中にあったので、1分たりとも時間が無駄にならず、勉強に集中できました!
パリ国立高等音楽院の寮は、広くて1日中楽器も練習できたので、入学してすぐの私にはぴったりの環境でした。
また、電気代が個人負担ではなくなったことも大きかったです。
洗濯機は部屋にはありませんでしたが、寮で共同の洗濯機があり、コインランドリーよりも安く利用することができました。
5〜8年目:大きなアパートの間借り
広さ:アパート全体は約80平米、自分の部屋は約12平米
家賃:850€(≒14万0000円)ー 住宅補助 250€(≒4万2000円)= 10万円
※音楽可、グランドピアノ付
※電気代、インターネット代込み、洗濯機付
私が一番長く住んだパリ市内のアパート(コロカシオン)の家賃です。学生が住むアパートにしては高めですが、学校から徒歩圏内+電気代・Wifi代込み、バスタブ・洗濯機(念願の!)・オーブン・食洗機付と、とにかく条件が良かったので、見つけた瞬間迷わず連絡しました!
この家はちょっと特殊で、大家さんが以前ご家族で住んでいた大きなアパートに、1部屋を間借りという形で住んでいました。
間借りといっても、大家さん帰ってくるのは月に1週間ほど。
その1週間だけ共同生活で、普段は大きなアパートに1人暮らしという、何とも贅沢なお家でした。
フランスには、このようにちょっと変わった形で家を貸している人がたくさんいます。
大家さんによってもその条件は違いますので、このような穴場の物件が見つかるかもしれません!
パリと地方では相場がかなり違うことも忘れずに!
以前こちらの記事でご紹介しましたが、同じフランスでもパリと地方では家賃の差がとても大きいです。
私は8年間ずっとパリ市内に住んでいたので、地方で暮らす方よりも家賃の相場は高かったと思います。
しかし、パリに住んでいたからこそ素晴らしい経験をたくさんすることができたので、パリでの留学生活は高い家賃を払う価値があると、自信をもって言えます。
家賃が少し高くても、それだけ快適に暮らすことができれば、自炊などが増えて生活費が安くなったり、何より住環境は心と身体の健康に直結します。
目先の数字だけに捉われず総合的に判断し、慎重に選びましょう。
相次ぐ物件トラブルにも注意
また、フランスの物件探しでは、家賃の問題の他にも、以下のようなトラブルの報告も後をたちません。
・現地に行ったら、契約した場所に部屋がなかった(詐欺)
・入居前に、家賃として何百万も請求された(詐欺)
・家の下が飲食店だということを知らず、ネズミ被害にあった
・契約した家の場所が、治安の悪い地区だった
・湿気が多く、家中にカビが生えていた
・写真で見るより古く、とても住める状態ではなかった
・インターネットが繋がらない部屋だった
・スーパーやコインランドリーまでの距離が遠くて不便だった
実際に見ていれば防げていたことでも、内見せずに契約するとこのようなトラブルに巻き込まれてしまうリスクも大きくなります。
ですので、長期で契約する場合は信頼できる不動産業者を通すか、実際に内見に行かれることをお勧めします!